研究用ソフトウェア環境の整備

しばらくBlogを休みましたが、その間に、Mac OS Snow Leopard上に関数プログラミング言語Haskellの環境の整備をしました。

Haskellは1998年版が基準になっているということで分かるように、かなり歴史がある言語になりました。コンパイラはGlasgow版のGHCが一般的です。最新版のGHC6.12.1をインストールしましたが、その道筋は単純ではありませんでした。

以前に書いたPOPP(Parallelism-Oblivious Parallel Programming)の実験のために、GHC6.12.1をインストールしようと考えたのです。一方で、並列実行のプロファイルをとるツールとしてThreadScopeが開発されているのですが、これは、Gtk2hsというGUIライブラリを使っていて、GHC6.10.3でコンパイルする必要があるというので、バージョンの違うGHCを使い分けるという複雑なことになっていたのです。

詳細は省きますが、ともかく、2日がかりでこのあたりの事情はよく分かりました。これから、POPPの実験を始めようと考えています。今年度の卒業論文でT君が試みたものの、GHC6.10.4のランタイムシステムの並列実行の挙動がよく分からなかったところを追試してみたいと思います。

研究のための環境を整えることも研究の一環です。ソフトウェアの環境の整備は他に比べて楽だと思うのですが、最近は、なかなか複雑になっていて、手がかかります。終わってしまえば、そういうものかと分かるのですが、その過程ではいったいどうなるのか、やめた方がよいのではないかと思いながらも時間をかけて、環境整備を行ったことはよい経験でした。こういう作業も久しぶりでしたが、現状がよく分かりました。”An ounce of practice is worth a pound of theory” といえるでしょう。

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