「日本学術会議の任命拒否に対する抗議声明」 人文・社会科学者の35%が

2020年11月12日の日本学術会議の記者会見では梶田会長ら幹部が「会議が推薦した会員を任命されない事態は想定してない」と述べた。

この記者会見の際の資料にはこれまでに学術会議が把握した「日本学術会議に関する学協会・大学等の声明等一覧(令和 2年 11月 10日現在)」が【参考1】として添えられている(pp.21-32)。
そこでは 240余りの団体が「内閣総理大臣による第25期会員候補の任命拒否に対する」抗議声明を出したことが表で示されている。このうちで、研究者自らが運営して、学術に関する機関誌を発行するなどの研究活動を行っている学協会(日本学術会議協力学術研究団体)は180であった。このような学協会は会員選考の際に情報提供を行う団体である。これまでに声明を出した多くの学協会は第一部(人文・社会科学)関連の学協会で、その会員数は延べ約13万人である。2000余りの学協会の情報は「学会名鑑」に公開されているのでそこから学会ごとの会員数を引き出して集計したものである。一人の研究者がいくつかの学協会の会員として活動することもあるので、実際の研究者数ではない。

一方で、第一部関連の学協会全体の会員総数は同様に重複を含めて延べ46万人である(埴淵 知哉・川口 慎介「日本における学術研究団体(学会)の現状」, E-journal GEO
Vol. 15(1) 137-155 2020)。

これらのことから、おおむね 35% の学協会会員が学協会を通じて声明を出している、あるいは学協会が人文・社会科学関連研究者の 35% の会員を代表して声明を出しているといえる。学術会議が会員の見解を代表して提言等を出すのとおなじ形だといえる。内閣府の統計によると第一部関連の大学等に所属する研究者数は6.9万人である
ことから、その35% である 2.4万人の研究者が実際に声明を出していることになる。

声明は第一部関連以外にも日本建築学会等の学協会や日本医学会(136学会で構成)
のように学協会の連合体で出しているものもあり、総数は数十万人に及んでいる。

このことから、我が国の科学者の多くが今回の学術会議会員の任命拒否に対して声
を上げているとみることができよう。

takeichimasato
東京大学 名誉教授 / 大学改革支援・学位授与機構 名誉教授 / 日本学術会議第19-22期(2005-2014)会員・第22期副会長

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